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歯科の新患を増やすには|見つけてもらう・選んでもらう・初診の体験の3段階で打ち手を整理し、紹介と家族の来院につなげる

公開  | アートパーク編集部(株式会社NEVER)

待合室のベンチで、母親のスマートフォンを子どもと一緒にのぞき込み、魚の絵に色をぬっている様子

※写真はイメージです。

「新患が思うように増えない」という悩みに対して、広告を増やす、ホームページを作り直すといった打ち手から考え始めると、どこに効いているのか分からないまま費用と手間だけが増えがちです。歯科の新患を増やすには、患者さんが貴院を知ってから初めて来院し、さらに家族や知人を連れてくるまでの道のりを分けて考えるのが近道です。この記事では、その道のりを「見つけてもらう」「選んでもらう」「初診の体験」の3段階に分け、それぞれで明日から見直せる手順、比較表、声かけ例、よくある失敗をまとめました。最後に、初診の体験を紹介や家族の来院につなげる工夫と、見直し用のチェックリストも載せています。院長・事務長の方に向けた内容です。

歯科の新患を増やす前に|3段階に分けて詰まりを探す

新患が来院するまでには、患者さんの側でいくつかの段階があります。「歯が痛い」「子どもの検診先を探したい」と思った人が、まず医院の存在を知り(見つけてもらう)、いくつかの候補から一つに決め(選んでもらう)、実際に来院して診療を受け(初診の体験)、満足すれば家族や知人に話す、という流れです。新患が増えないとき、詰まっている段階によって打つ手はまったく違います。

段階ごとの「詰まりのサイン」と打ち手

段階詰まっているときのサイン主な打ち手
見つけてもらう地図検索やホームページの閲覧がそもそも少ない。近隣に住んでいるのに医院を知らない人が多いGoogleビジネスプロフィールの整備、ホームページの基本情報、看板・院外の接点の見直し
選んでもらうホームページは見られているのに予約や電話につながらない。「見たけど別の医院にした」と言われる初めての人が知りたい情報の掲載、予約の取りやすさ、写真や説明で院内の様子を伝える
初診の体験初診のあと治療の途中で来なくなる。家族や紹介での来院がほとんどない予約から会計までの流れと声かけの見直し、待合室の過ごしやすさ、次回予約と家族への案内

まずは、貴院がどの段階で詰まっていそうかを見当づけます。初診の患者さんに「当院を何で知りましたか」「決め手は何でしたか」と問診票や受付で聞いておくと、見つけてもらう経路と選ばれた理由が少しずつ見えてきます。ホームページのアクセス解析やGoogleビジネスプロフィールの表示回数・操作の数(ルート検索や電話など)も、段階ごとの詰まりを探す手がかりになります。

ポイント

3段階は順番につながっています。見つけてもらえていないのに初診の体験だけ磨いても新患は増えにくく、逆に、広告で見つけてもらっても選ばれる情報がなければ予約にはつながりません。一番詰まっている段階から手をつけるのが、費用と手間をかけすぎないコツです。

見つけてもらう|地図検索・ホームページ・院外の接点を整える

歯科医院を探すとき、多くの人はスマートフォンの地図アプリや検索で「地名+歯医者」「近くの歯医者」と調べます。ここで表示されなければ、そもそも候補に入りません。新たにお金をかける前に、すでにある接点が正しく整っているかを確認しましょう。

Googleビジネスプロフィールの基本を整える

地図検索で表示される医院の情報は、Googleビジネスプロフィールで管理します。オーナー確認を済ませ、次の項目が正確で最新になっているかを確認します。

写真や投稿の具体的な整え方は、歯科のMEO対策の記事で詳しくまとめています。

ホームページは「探している人の言葉」で書く

ホームページは、地図検索で気になった人が「もう少し詳しく知りたい」と思ったときに開く場所です。院長の想いや設備の説明から始まるより、探している人が使う言葉で、知りたいことにすぐたどり着ける構成のほうが、次の「選んでもらう」段階にもつながります。トップページの最初の画面に、診療時間・アクセス・予約方法がすぐ見えるかを、スマートフォンで確認してみてください。

院外の接点を棚卸しする

看板、駐車場の案内、近隣の掲示、地域の情報誌、学校や園の歯科健診をきっかけにした受診など、院外で貴院を知るきっかけは意外に多くあります。それぞれに「どこを見て、何を知り、次にどう動いてほしいか」を一行で書き出すと、案内の表記がばらばらだったり、予約方法が書かれていなかったりといった抜けに気づけます。

注意

選んでもらう|初めての人が知りたいことに先回りする

候補に入ったあと、患者さんは複数の医院を見比べて一つに決めます。このとき決め手になるのは、技術の説明よりも「自分(や子ども)が行っても大丈夫そうか」という安心感であることが少なくありません。初めての人が抱く疑問に先回りして答えておくことが、歯科の集患方法として地味ながら効果の見えやすい打ち手です。

初めての人が知りたいことと、載せる場所

初めての人の疑問答え方の例載せる場所
予約は取りやすい?Web予約の有無、電話の受付時間、当日の急患への対応方針ホームページの最初の画面、Googleビジネスプロフィール
初診では何をする?問診・検査・説明の流れと、所要時間の目安。持ち物(保険証・お薬手帳など)「初めての方へ」のページ、予約完了の案内
子ども連れでも大丈夫?ベビーカーの置き場、保護者の診療中に子どもが待てるか、親子で一緒に受診できるか「初めての方へ」「小児歯科」のページ、院内写真
どんな雰囲気?受付・待合室・診療室の写真、スタッフの紹介ホームページ、Googleビジネスプロフィールの写真
駐車場・アクセスは?台数、場所、最寄りの交通機関からの道順アクセスのページ、地図の情報

この表の項目を貴院のホームページとGoogleビジネスプロフィールに当てはめ、答えが見つからないものに印をつけてください。印がついた項目から順に埋めていくだけでも、「見たけど別の医院にした」を減らすきっかけになります。

予約の入口を一つ減らさない

選んでもらった直後に予約の手間で離れてしまうのは、もったいない失い方です。電話がつながりにくい時間帯がないか、Web予約の画面がスマートフォンで分かりやすいか、受付時間外に予約したい人の受け皿があるかを確認します。実際にスタッフが患者さんのつもりでスマートフォンから予約してみると、思わぬつまずきが見つかります。

クチコミは「お願いの仕方」を整える

Googleのクチコミも、選んでもらう段階で見られる情報の一つです。ただし、見返りを付けてお願いすることや、満足していそうな人だけに依頼することは、Googleのポリシーで禁じられています。ルールに沿ったお願いの仕方はGoogleクチコミ対策の記事にまとめています。

初診の体験を設計する|予約から会計までの流れと声かけ

見つけてもらい、選んでもらった患者さんにとって、初診は貴院を「通い続ける医院」にするかどうかを決める場です。そして、初診の体験は、その人が家族や知人に何を話すかにも直結します。予約から会計までを一つの流れとして見直しましょう。

初診の流れごとの見直しポイントと声かけ例

場面見直しポイント声かけ例
予約時持ち物・所要時間・駐車場を伝える。不安なことがないか聞く「初めてですので、問診票の記入も含めて少しお時間をいただきます。気になることがあれば当日お聞かせください」
来院・受付名前を呼んで迎える。問診票の書き方と待ち時間の目安を伝える「ご予約ありがとうございます。○○さまですね。問診票をご記入いただいたら、○分ほどでお呼びします」
待合室子ども連れでも気兼ねなく待てるか。呼び出しまで不安にさせないか「お子さんもご一緒で大丈夫ですよ。順番が近づいたらお声がけします」
診療室何をするかを先に伝える。痛みや不安を聞く。今後の計画と選択肢を説明する「今日はお口の状態を確認して、今後の進め方をご相談します。途中で痛いときは左手を挙げてください」
会計・次回予約次回の内容と時期を伝え、その場で予約を取る。家族の受診にも触れる「次回は○○をします。ご都合のよい曜日はありますか。ご家族の検診も同じ日にお取りできますよ」

「説明されたこと」が残るようにする

初診で伝えたいことは多くても、患者さんが覚えて帰れるのは一部です。今日わかったこと、次回すること、気をつけてほしいことの3点に絞って伝え、可能なら紙やメッセージで手元に残します。家に帰って家族に「どうだった?」と聞かれたとき、患者さんが自分の言葉で説明できる状態が理想です。

待合室は「初めての緊張」をほぐす場所

初めての医院では、患者さんは診療室に入る前から緊張しています。待合室の明るさ、受付からの声かけ、子どもが騒いでしまわないかという保護者の気がかりなど、診療以外の小さな印象が積み重なって「また来てもいいな」という気持ちになるかどうかが決まります。子ども連れの初診では、保護者が「子どもが待合室で落ち着いていられるか」を気にしていることが多いため、待ち時間の過ごし方まで考えておくと安心感につながります。

ポイント

初診の患者さんが帰ったあと、受付と担当者で「気になった様子はなかったか」を一言ずつ共有する習慣をつけると、流れの中の小さなつまずきに早く気づけます。毎回でなくても、週に一度の振り返りから始めてみてください。

紹介・家族の来院につなげる工夫

初診の体験に満足した患者さんが、家族や知人に貴院のことを話してくれる。これは、広告費をかけずに新患が来院する道筋の一つです。ただし、紹介は「お願いすれば増える」ものではなく、話したくなる体験と、話しやすいきっかけの両方があって生まれるものです。

家族の受診は「ついで」に提案する

親子やご夫婦は、生活の時間がつながっています。一人が通い始めたときが、家族の受診を提案しやすい機会です。

紹介は「話しやすい材料」を渡す

患者さんが知人に医院を紹介するとき、困るのは「どう説明すればいいか」です。医院の診療時間・予約方法・アクセスを一枚にまとめたカードや、ホームページの「初めての方へ」のページを渡しやすくしておくと、話のきっかけを支えられます。

注意
歯科医院の入口から入ってきた子どもが、待合室の壁にある大きな画面へ小走りで向かっている様子
待合室での過ごしやすさも、初診の印象の一部です。※写真はイメージです。

子どもが「また描きたい」と話したくなる待合室|アートパークという選択肢

当社が提供している「アートパーク」は、待合室のテレビ1台で、お子さんが親御さんのスマートフォンで描いた魚などの絵が、大画面の水槽「すいぞくかん」を泳ぎだすサービスです。アプリのインストールや会員登録は不要で、お子さんの氏名・顔写真・生年月日は取得しません。共有のおもちゃやタッチパネルを置かないため、消毒や片づけの手間はかかりません。

描いた作品は5分ほど(最長10分)で画面から退場し、日をまたいで残ることはありません。その時間に居合わせた子どうしで一緒に泳ぐ仕組みのため、子どもにとっての楽しみは「また描きたい」になります。初めての歯医者で緊張していた子が、帰り道に「お魚が泳いだ」ときょうだいや友だちに話す。そうした小さな会話が、家族の受診を考えるきっかけの一つになりうると考えています。もちろん新患の増加を約束するものではなく、ここまでの節で触れた情報の整備や初診の流れと組み合わせてこそ意味があるものです。お絵かき画面には、予約フォームや公式LINEへの案内を1回だけ表示することもできます(全員に同じ案内が表示されます)。

よくある失敗と、自院の数字で確かめる方法

新患を増やす取り組みは、始めたあとに効いているかを確かめないと、手応えのないまま続けたりやめたりを繰り返しがちです。よくある失敗と、確かめ方を整理します。

よくある失敗

月に一度見たい数字

段階数字の例確かめ方
見つけてもらうGoogleビジネスプロフィールの表示回数、ホームページの訪問数各管理画面で月ごとに記録する
選んでもらう新患の予約件数(電話・Web別)、予約ページへの移動数予約台帳とアクセス解析で数える
初診の体験初診後に次回予約を取って帰った割合、治療計画の途中で中断した人数予約台帳・レセプトコンピューターから拾う
紹介・家族問診票の「当院を何で知りましたか」で紹介・家族と答えた人数問診票の集計を月ごとに記録する

比べる相手は、他院や業界の平均ではなく、貴院の先月・前年同月です。数字の定義(たとえば「新患」を初めて来院した人に限るのか、しばらく間があいた再来も含めるのか)を最初に決め、毎月同じ方法で数えることが大切です。

チェックリスト

まとめ

歯科の新患を増やすには、患者さんが貴院を知って来院するまでの道のりを「見つけてもらう」「選んでもらう」「初診の体験」の3段階に分け、一番詰まっている段階から手をつけるのが近道です。見つけてもらう段階では地図検索とホームページの基本情報を正しくそろえ、選んでもらう段階では初めての人が知りたいことに先回りして答え、予約の入口を整えます。初診の体験では、予約から会計までの流れと声かけを決め、次回予約と家族の受診を自然に提案します。満足した患者さんが話したくなる体験と、話しやすい材料の両方を用意することが、紹介や家族の来院につながる土台になります。取り組みは一つずつ変え、自院の数字を毎月同じ方法で確かめながら整えていきましょう。

アートパーク編集部(株式会社NEVER)
歯科・小児科の待合室向けに、子どもが描いた絵がテレビの大画面で泳ぐ「アートパーク」を開発・提供しています。愛知県豊川市。