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集客

クリニックの集患の全体像|見つけてもらう・選んでもらう・通い続けてもらうための対策と、医療広告ガイドラインの注意点

公開  | アートパーク編集部(株式会社NEVER)

夜の街路から見える、ガラス張りのクリニックの待合室。壁の大きな画面を子どもたちが見ている

※写真はイメージです。

クリニックの集患というと、広告やホームページの改修を思い浮かべる方が多いかもしれません。けれども患者さんがクリニックを決めて通い続けるまでには、「地図やホームページで見つける」「口コミや電話の印象で選ぶ」「実際に来院して、また来ようと思う」という複数の段階があります。どこか一つが詰まっていると、他をいくら強化しても成果につながりにくいのが集患の難しいところです。この記事では、内科・小児科・皮膚科・耳鼻科・歯科など診療科を問わず使える集患の全体像を3段階で整理し、段階ごとの具体的な手順、接点ごとの見直し表、受付の声かけ例、医療広告ガイドラインで気をつけたい点、見直しのチェックリストをまとめました。院長・事務長の方に向けた内容です。

クリニックの集患は3つの段階で考える

集患 対策を考えるとき、最初にやっておきたいのは「患者さんがどの段階で離れているのか」を見分けることです。新患が少ないのか、初診は来るのに再診につながらないのか、通院中の方が途中で来なくなるのかによって、打つべき手はまったく違います。ここでは患者さんの動きを3つの段階に分けて整理します。

段階患者さんの状態主な接点詰まっているときのサイン
見つけてもらう症状や用事があり、近くのクリニックを探している地図アプリ、検索結果、ホームページ、看板、紹介地域で検索しても名前が出てこない/診療時間の問い合わせ電話が多い
選んでもらういくつかの候補を見比べて、どこに行くか決めようとしている口コミ、写真、予約のしやすさ、電話の応対ホームページは見られているのに予約や来院が少ない
通い続けてもらう一度来院し、次も来るかどうかを決めている受付、待ち時間、説明のわかりやすさ、次回の案内初診は来るが再診・定期受診が続かない

この3段階は順番につながっているため、上流だけを太くしても下流が細ければ患者さんは定着しません。反対に、来院した方の満足が高ければ、ご家族や知人への紹介、口コミという形で「見つけてもらう」段階にも返ってきます。集患を「新患を増やすこと」だけでなく、「来た方に通い続けてもらうこと」まで含めた循環として捉えると、限られた時間と予算をどこに使うべきかが見えてきます。

まず「自院の詰まり」を確かめる

手を打つ前に、次のような情報を一度集めてみてください。特別な仕組みがなくても、受付で数週間記録するだけで傾向はつかめます。

他院や業界の平均と比べる必要はありません。貴院の先月・先期と比べて、どこが動いたかを見るのが基本です。

見つけてもらう|地図検索とホームページを整える

体調が悪いとき、多くの人はスマートフォンで「地域名+診療科」や「近くの+症状」と検索し、地図に表示されたクリニックから候補を選びます。この段階で大切なのは、目立つことより先に「正しい情報が、迷わず見つかること」です。

地図の情報は「今日行けるか」が判断できる状態に

Googleビジネスプロフィールなど地図サービスに表示される医院情報は、ホームページより先に見られることが少なくありません。次の項目が最新かどうか、月に一度は確認しましょう。

診療時間が古いまま残っていて、来てみたら閉まっていたという体験は、そのまま低い評価や悪い印象につながりかねません。情報を変えたときは、ホームページ・地図・院内掲示をまとめて更新する担当者を決めておくと漏れを防げます。

ホームページは「初めての人が知りたい順」に並べる

ホームページのトップ画面で、初めての方が最初に探すのは、院長の理念よりも「今日やっているか」「どうやって予約するか」「どこにあるか」です。スマートフォンで開いたとき、スクロールせずに次の情報にたどり着けるかを確認してみてください。

そのうえで、診療科ごとに患者さんがよく検索する言葉を意識したページがあると、探している人に届きやすくなります。たとえば小児科なら予防接種や乳幼児健診の案内、皮膚科なら症状ごとの説明、内科なら健診や発熱時の受診方法といった具合です。これは院長やスタッフが日々受けている質問をそのまま文章にすると、無理なくつくれます。

ポイント

ホームページの文章は「患者さんが電話で聞いてくること」を減らす視点で書くと、集患と受付の負担軽減を同時に進められます。受付で数えた問い合わせ内容の上位から、順にページに答えを載せていきましょう。

看板・紹介など、ネット以外の入口も見直す

病院 集患 方法というとネットに目が向きがちですが、通りから見える看板や入口の明るさ、近隣の薬局・他の医療機関からの紹介も大切な入口です。夜間に通りから院内の様子が見えるかどうか、入口が分かりにくくないかを、患者さんの目線で歩いて確かめてみるのも一つの方法です。

選んでもらう|口コミと院内の体験が決め手になる

候補がいくつか見つかったあと、患者さんは口コミや写真、予約のしやすさを見比べて受診先を決めます。そして実際に電話をかけたり来院したりしたときの体験が、その選択が正しかったかどうかを決めます。

口コミは「増やす」より「返す・活かす」から

口コミの数や評価に目が行きがちですが、まず取り組みやすいのは、いただいた口コミへの丁寧な返信と、内容を院内の改善に活かすことです。返信は、これから受診を検討する方にも読まれています。

口コミを書いてもらうよう患者さんにお願いする場合は、すべての方に同じ案内をすることが前提です。詳しくは歯科医院のGoogleクチコミ対策でも解説しています(診療科を問わず考え方は共通です)。

注意

電話・受付・待合室の「最初の5分」を見直す

選んでもらえるかどうかは、来院前後の小さな体験の積み重ねでも決まります。患者さんが体験する順番に接点を並べ、それぞれで何を見直せるかを整理しました。

接点患者さんが感じやすい不安見直しのポイント
電話つながらない、話し方がそっけない混む時間帯の把握、名乗り方と最初の一言をそろえる
入口・受付どこで何をすればよいか分からない初診の方への案内を一言で、問診票の書き方を先に伝える
待合室あとどれくらい待つのか分からない、子どもが騒がないか心配待ち時間の目安を伝える、子どもが静かに過ごせる工夫
診察室説明が早くて分からない、質問しにくい最後に「ほかに気になることはありますか」と聞く
会計・帰り際次にいつ来ればよいか分からない次回の目安と予約方法を、紙やメッセージでも渡す

受付の声かけ例

同じ内容でも、言い方ひとつで患者さんの受け取り方は変わります。受付で共有しておきたい言い回しの例です。

待ち時間の伝え方と過ごし方については歯科・小児科の待ち時間対策でも詳しく取り上げています。

通い続けてもらう|再診・定期受診につなげる仕組み

集患 クリニックの取り組みで見落とされやすいのが、この「通い続けてもらう」段階です。慢性疾患の定期受診、予防接種のスケジュール、健診、経過観察など、多くの診療科には「次の来院」があります。ここで患者さんが離れてしまうと、新患を増やしても総数は伸びにくくなります。

次回の目安を「医師から」「受付から」「紙で」伝える

次の来院が必要な場合、その時期と理由は医師から伝えるのが基本です。そのうえで受付でも同じ内容を繰り返し、紙やメッセージでも渡すと、患者さんの記憶に残りやすくなります。カルテや受付への申し送りに次回の目安を必ず書く決まりにしておくと、伝え漏れを減らせます。

予約と連絡の手段をそろえる

家族ぐるみの受診と、子どもの「また行きたい」

小児科や家族で受診することの多い診療科では、保護者が「この子を連れて行けるか」で通院先を決めることがあります。子どもが待合室で泣いたり飽きたりしないか、周りに迷惑をかけないかという心配が小さいほど、保護者は通いやすくなります。待合室の工夫については小児科の待合室づくりも参考にしてください。

待合室の時間を「また来たい」理由に|アートパークという選択肢

当社が提供している「アートパーク」は、待合室のテレビ1台で、お子さんが親御さんのスマートフォンで描いた魚などの絵が、大画面の水槽「すいぞくかん」を泳ぎだすサービスです。アプリのインストールや会員登録は不要で、お子さんの氏名・顔写真・生年月日は取得しません。共有のおもちゃやタッチパネルを置かないため、消毒や片づけの手間もかかりません。作品は5分ほど(最長10分)で画面から退場し、日をまたいで残らないため、その時間に居合わせた子どうしで一緒に泳ぐ仕組みです。お子さんにとっての楽しみは「また描きたい」になります。

お絵かき画面には、予約フォーム・公式LINE・Googleクチコミ・アンケートへの案内を1回だけ表示できます(全員に同じ案内です)。待ち時間のうちに次回予約や連絡先の登録へ自然につなげる使い方も考えられます。もちろん来院の継続を約束するものではなく、待合室の体験を整えるきっかけの一つとしてお考えください。

お絵かき画面に表示される、医院からの案内のポップアップ
お絵かき画面に1回だけ表示できる案内の例

医療機関の集患で守りたい、医療広告ガイドラインの注意点

医療機関 集患の取り組みで欠かせないのが、医療広告のルールへの配慮です。医療機関の広告は医療法と厚生労働省の「医療広告ガイドライン」によって規制されており、2018年6月に施行された改正医療法により、医療機関のホームページも規制の対象として扱われるようになりました。ホームページやSNS、チラシ、看板をつくる前に、一次資料を確認しておきましょう。

特に気をつけたい表現の例

類型避けたい表現の例考え方
虚偽の表現事実と異なる実績や設備の記載載せる情報は事実で確認できるものに限る
比較優良の表現「地域で一番」「どこよりも丁寧」など他院より優れていると示すもの他院との比較ではなく、自院で行っていることを具体的に書く
誇大な表現「必ず治る」「痛みゼロ」など効果を断定・誇張するもの治療の内容や流れ、リスクを分かりやすく説明する
体験談治療の内容や効果に関する患者さんの体験談の掲載口コミの転載・引用もふくめて扱いに注意する
ビフォーアフター写真説明を伴わない治療前後の写真掲載する場合の条件をガイドラインで確認する

このほかにも、広告できる事項の範囲や、一定の条件を満たした場合に限って広告が認められる事項(いわゆる限定解除)など、細かな決まりがあります。ガイドラインやその解説は改定されることがあるため、この記事の内容だけで判断せず、厚生労働省の最新の資料や、所属する医師会・歯科医師会、必要に応じて専門家に確認してください。

注意

集患対策の進め方と、見直しチェックリスト

やるべきことが多く見えても、一度にすべてを始める必要はありません。費用がかからず、効果の土台になるものから順に進めるのがおすすめです。

おすすめの進め方

  1. 情報の正確さを整える:地図・ホームページ・院内掲示の診療時間や予約方法をそろえる
  2. 院内の体験を見直す:電話・受付・待合室・会計の声かけと案内をスタッフで共有する
  3. 次回の案内を仕組みにする:申し送り、予約・変更の手段、連絡のタイミングを決める
  4. 発信を増やす:よくある質問のページ、診療科ごとの説明ページを少しずつ追加する
  5. 必要に応じて広告を検討する:上の土台が整ってから。表現はガイドラインに沿って確認する

広告から始めると、見つけてもらえても選ばれない・続かないという状態になりやすく、費用に見合う結果を確かめにくくなります。歯科医院に特有の取り組みについては歯科医院の集客方法で別にまとめていますので、あわせてご覧ください。

チェックリスト

まとめ

クリニックの集患は、「見つけてもらう」「選んでもらう」「通い続けてもらう」の3段階で考えると、どこに手を打つべきかが見えてきます。まずは自院の詰まりを確かめ、地図とホームページの情報を正確にそろえること。次に、口コミへの丁寧な返信と、電話・受付・待合室といった院内の体験を見直すこと。そして、次回の案内と予約の仕組みで、来院した方に通い続けてもらうこと。広告や発信はこの土台のうえで検討し、表現は医療広告ガイドラインの一次資料で確認しながら進めましょう。診療科を問わず、患者さんの目線で一つずつ整えていくことが、集患の近道です。

アートパーク編集部(株式会社NEVER)
歯科・小児科の待合室向けに、子どもが描いた絵がテレビの大画面で泳ぐ「アートパーク」を開発・提供しています。愛知県豊川市。