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歯科医院のLINE公式アカウント活用|友だちの集め方、予約・リマインド、ブロックされない配信と個人情報の扱い

公開  | アートパーク編集部(株式会社NEVER)

木目の受付カウンターがあるクリニックの待合室。壁掛けの大きな画面の前に、子ども2人がクッションに座っている

※写真はイメージです。

子育て世代の患者さんにとって、電話よりも気軽に使える連絡手段がLINEです。歯科医院でもLINE公式アカウントを開設する例が見られますが、「友だちが増えない」「何を送ればいいか分からない」「送ったらブロックされた」という声もよく聞かれます。この記事では、歯科医院がLINEを使う目的の決め方から、友だちを集める場面と声かけ、配信の頻度と内容、LINEでの予約やリマインドの組み立て方、ブロックされない運用、個人情報の扱いまでを、院長・事務長の方向けに整理しました。明日の朝礼でそのまま共有できるチェックリストも付けています。

歯科医院がLINE公式アカウントを使う目的を決める

歯科医院のLINE活用でつまずく原因の多くは、「とりあえずアカウントを作った」ところから始まることにあります。目的が決まっていないと、受付は何と声をかけて友だち追加をお願いすればよいか分からず、配信の担当者も何を送ればよいか迷います。最初に、貴院がLINEで何をしたいのかを一つか二つに絞りましょう。

歯科医院でよくある4つの目的

目的LINEでやること向いている医院
予約・変更の窓口予約の受付や日程変更をLINEからできるようにする。電話がつながりにくい時間の受け皿になる電話が混み合う、受付の人数が少ない
来院前の確認とリマインド予約日の前に日時と持ち物を知らせる。検診の時期が近い方に案内する無断キャンセルや定期検診の中断が気になる
お知らせの一斉連絡休診日、診療時間の変更、臨時の対応などを知らせる急な休診や時間変更の連絡に困ったことがある
個別の問い合わせ対応チャットで簡単な質問に答える。電話が苦手な方の連絡手段になる若い世代の患者さんが多い、問い合わせ電話が多い

すべてを一度に始める必要はありません。たとえば「まずは休診のお知らせと予約日の前日連絡だけ」と決めれば、友だち追加をお願いするときの声かけも「休診や予約の確認をLINEでお送りします」と具体的になります。目的が具体的であるほど、患者さんは追加する理由を理解しやすくなります。

料金プランは公式サイトで確認する

LINE公式アカウントは、無料で始められるプランと、送れるメッセージの量に応じた有料プランがあります。プランの内容や月に送れる通数、追加料金の考え方は改定されることがあるため、開設前とプランを見直すときに、必ずLINEヤフーの公式サイトで最新の情報を確認してください。配信の通数は「友だちの人数×配信回数」で増えていくので、友だちが増えてきた段階で、配信の頻度とプランをあわせて見直すことになります。

担当者と返信のルールを先に決める

LINEは気軽に送れる分、患者さんから返信や質問が届くことがあります。誰が、いつ、どこまで答えるのかを決めておかないと、返信が数日放置されたり、受付が判断に困る質問を抱えたりします。開設前に次の3点を決めておきましょう。

友だちを集める|院内の「追加してもらう場面」をつくる

友だちが増えないときによくあるのは、受付にQRコードのPOPを置いているだけで、声かけの流れが決まっていないケースです。患者さんは用事を済ませて早く帰りたいので、「追加する理由」と「追加するタイミング」がそろわないと、POPは目に入っても行動にはつながりにくいものです。

追加してもらいやすい場面

場面やり方声かけの例
初診の受付・問診票の記入時問診票に「ご希望の連絡方法」の欄を設け、LINEを選んだ方にその場で案内する「予約の確認や休診のお知らせをLINEでお送りできます。よろしければこちらから追加をお願いします」
次回予約を取ったとき予約日の前日連絡をLINEで受け取れることを伝える「前日にLINEで予約のお知らせが届くので、忘れにくくなりますよ」
待合室で待っている時間椅子の近くや雑誌の横に紙のPOPを置く。スマートフォンを触っている時間に目に入るようにするPOPに「日程の変更もLINEからできます」と一つだけ利点を書く
会計のとき受付カウンターのPOPを指して一言添える。断られたら深追いしない「次回から変更のご連絡はLINEでも大丈夫です」
ホームページ・Googleのプロフィール来院前の方に向けて友だち追加のボタンを置く「LINEでのご予約・お問い合わせはこちら」

POPは「何が届くか」を一行で書く

「LINE公式アカウントはじめました」という告知だけでは、患者さんにとっての利点が伝わりません。POPには、友だちになると何が届くのか、何ができるのかを一行で書きます。たとえば「予約の前日にお知らせが届きます」「休診日をLINEでお知らせします」などです。QRコードは紙のPOPに大きめに印刷し、スマートフォンをかざしやすい高さに置くと読み取りやすくなります。

ポイント

友だち追加のお願いは、受付スタッフ全員が同じ言い方でできるように、一文に決めて受付のメモに貼っておきましょう。人によって案内したりしなかったりすると、友だちの増え方にむらが出ます。

特典で集めるときの注意

友だち追加の特典としてクーポンや割引を付ける方法がよく紹介されますが、歯科医院では慎重に考える必要があります。保険診療に関わる値引きや物品の提供は、規則上の問題になりうるためです。特典を検討する場合は、対象が自費の物販などに限られるかを含めて、関係する規則や所属の歯科医師会などに確認してから判断してください。特典に頼らず、「予約の確認が届く」「変更が楽になる」という実用的な利点で案内する方が、医院として説明しやすい形です。

歯医者のLINE予約とリマインドの組み立て方

「歯医者 LINE 予約」で調べる患者さんがいるように、LINEから予約できることは、電話をかけにくい時間帯の多い子育て世代にとって大きな利点です。ただし、歯科の予約は診療内容や担当者、チェアの空き状況によって変わるため、LINEの使い方にはいくつかの型があります。

歯科の予約システムとLINEをつなぐ3つの型

型仕組み良い点気をつけたいこと
リクエスト型患者さんがLINEのチャットで希望日時を送り、受付が空きを確認して返信する新しい仕組みがいらず、すぐ始められるやりとりが往復しやすい。返信の担当と時間帯を決める必要がある
予約ページ誘導型リッチメニュー(画面下のメニュー)から、貴院のWeb予約ページへ案内する空き枠を患者さん自身が選べる。受付の手間が減るWeb予約で受け付ける枠や内容を、院内で決めておく必要がある
連携型歯科の予約システムとLINEを連携し、予約の受付や確認、前日のお知らせを自動で送るリマインドまで自動化でき、件数が多い医院ほど手間が減る費用や設定の手間がかかる。患者さんの情報をどう紐づけるか確認が必要

最初はリクエスト型か予約ページ誘導型で始め、LINE経由の予約が増えてきたら連携型を検討する、という段階的な進め方が現実的です。歯科の予約システム選びでは、LINEと連携できるかだけでなく、急患枠や担当衛生士の指定など、貴院の予約の取り方に合うかを確かめましょう。

LINEで受ける予約の範囲を決める

LINEやWebでの予約は、すべての診療に向いているわけではありません。「定期検診・クリーニングの予約と日程変更はLINEで受ける」「痛みがある方、初めての治療相談は電話で受ける」のように、範囲を決めて患者さんに伝えておくと、受付が困る予約が入りにくくなります。リッチメニューにも「検診のご予約」「予約の変更」「お電話はこちら」のように、用途ごとに入口を分けて並べると迷いません。

リマインドは「前日の確認」と「検診の時期の案内」を分ける

LINEのリマインドは、目的の違う2種類に分けて考えると整理しやすくなります。

定期検診の連絡の設計全体については、歯科の定期検診を続けてもらうにはで、はがき・メール・電話との使い分けとあわせて詳しくまとめています。

注意

配信の頻度と内容|ブロックされない運用

友だちが増えても、配信のたびにブロックされてしまっては意味がありません。ブロックされる理由の多くは、「多すぎる」「自分に関係がない」「宣伝ばかり」のどれかです。配信は量より、受け取った人が「届いてよかった」と思える内容かどうかで考えます。

配信の頻度は「少なめに決めて守る」

適切な配信の回数は医院や患者層によって違うため、一律の正解はありません。大切なのは、開設時に「一斉配信は月に○回まで」と院内で上限を決め、担当者が変わっても守ることです。休診のお知らせのように必要な連絡がある月は、それ以外の配信を控えるなど、合計で考えます。配信の時間帯も、診療の合間や子どもの寝かしつけの時間を避け、貴院の患者さんが見やすい時間を探していきましょう。

届けてよい内容、控えたい内容

喜ばれやすい内容控えたい内容
休診日・診療時間の変更、年末年始や連休中の対応同じ自費メニューの宣伝の繰り返し
予約の前日連絡、検診の時期のお知らせ全員に向けた長い文章や、画像ばかりの配信
子どもの歯みがきや仕上げみがきのコツなど、家で役立つ短い情報効果を断定するような表現、他院と比べる表現
予約が取りやすい時間帯のお知らせ深夜・早朝の配信

全員に送らず、届け先を分ける

LINE公式アカウントには、友だちの属性や、あとから付けられる目印をもとに、配信先を絞り込める機能があります。たとえば「小児の検診の案内は、子どもの予約で追加した方にだけ送る」のように分けると、関係のない人に届く配信が減り、通数の節約にもなります。どこまで絞り込めるかはプランや設定によって違うため、管理画面と公式のヘルプで確認しながら進めてください。

文面の型を決めておく

配信のたびに一から書くと、担当者の負担が大きく、文面の調子もばらつきます。次のような型を決めておくと、短く、伝わりやすい配信になります。

ポイント

ブロックの数は、管理画面の統計で確認できます。配信のあとにブロックが目立って増えたときは、その回の内容・時間帯・長さを振り返り、次の配信に生かしましょう。数字は他院と比べるより、貴院の前回の配信と比べる方が改善の手がかりになります。

個人情報と医療広告|LINEで気をつけたいこと

LINEは身近な連絡手段ですが、医院が扱う情報には、患者さんの健康に関わるものが含まれます。便利さを優先して運用を始める前に、個人情報と表現のルールについて院内で確認しておきましょう。

チャットで扱う情報を決める

病歴などの健康に関する情報は、個人情報保護法で「要配慮個人情報」として慎重な扱いが求められるものに含まれます。LINEのチャットは、患者さんから症状の写真や治療の相談が送られてくることもあります。院内で次のようなルールを決め、受付全員が同じ対応をとれるようにしておくと安心です。

具体的な取り扱いは、個人情報保護委員会や厚生労働省が公表しているガイドライン、院内の個人情報保護方針に沿って判断してください。プライバシーポリシーにLINEで取得する情報と利用目的を書いておくことも検討しましょう。

配信の文面は医療広告ガイドラインも確認する

LINEで自費診療の案内などを配信する場合、その内容が医療広告の規制の対象になるかどうかは、表現や配信のしかたによって変わる可能性があります。治療の効果を断定する表現、体験談を使った表現、ほかの医院と比べる表現などは、広告として問題になりうるものです。配信前に、厚生労働省の医療広告ガイドラインで確認する習慣をつけておくと安心です。SNS全般の運用については、歯科医院のSNS運用でも整理しています。

注意

待合室から「LINEを知ってもらう」きっかけをつくる|アートパーク

友だち追加の声かけは、患者さんが手にスマートフォンを持っている場面ほど行動につながりやすいものです。当社が提供している「アートパーク」は、待合室のテレビ1台で、お子さんが親御さんのスマートフォンで描いた魚などの絵が、大画面の水槽「すいぞくかん」を泳ぎだすサービスです。アプリのインストールや会員登録は不要で、お子さんの氏名・顔写真・生年月日は取得しません。描いた作品は5分ほど(最長10分)で画面から退場し、日をまたいで残ることはありません。

お絵かき画面には、公式LINEや予約フォームなどへの案内を1回だけ表示できます(全員に同じ案内が表示されます)。親御さんがすでにスマートフォンを手にしているタイミングで、貴院の公式LINEを知ってもらうきっかけの一つになりえます。友だちの数を約束するものではありませんが、受付での声かけや紙のPOPと組み合わせる入口の一つとして検討いただけます。

お絵かき画面に表示される、医院からの案内のポップアップ
お絵かき画面に1回だけ表示できる案内の例

始める前と運用中の見直しチェックリスト

LINE公式アカウントは、開設して終わりではなく、月に一度ほど数字と運用を見直していくと定着します。見るべき数字は多くありません。友だちの増え方、ブロックの数、LINE経由の予約や問い合わせの件数の3つを、貴院の先月と比べるところから始めましょう。

チェックリスト

まとめ

歯科医院のLINE公式アカウントは、予約・変更の窓口、前日連絡や検診の案内、休診のお知らせなど、目的を絞って始めると運用が続きます。友だちは、初診の問診票、次回予約、待合室、会計といった「スマートフォンを手にしやすい場面」で、何が届くのかを一言で伝えて集めます。LINE予約は、リクエスト型や予約ページ誘導型から始め、必要に応じて歯科の予約システムとの連携を検討しましょう。配信は少なめの上限を決めて守り、届け先を分けることでブロックを減らせます。そして、病名や治療内容を書かない、症状の相談はLINEで判断しないなど、個人情報と表現のルールを院内でそろえておくことが、安心して使い続けるための土台になります。料金や機能は変わることがあるため、公式サイトで最新の情報を確認しながら進めてください。

アートパーク編集部(株式会社NEVER)
歯科・小児科の待合室向けに、子どもが描いた絵がテレビの大画面で泳ぐ「アートパーク」を開発・提供しています。愛知県豊川市。